鍛えられし剣士の魂 ―― 刀匠ものがたり『百鍛冶士の伝承』が紡ぐ戦国ロマン

戦国時代の世に剣士の魂は燃え続けた。新作アクションゲーム『百鍛冶士の伝承』は、まさにその時代の荒涼たる世界を舞台に、刀matched冶匠たちの哀しくも熱い物語を綴る。

本作の主人公は、流浪の剣士・那須斎だ。生き別れた妻子を探す旅の最中、偶然にも伝説の刀鍛冶に出会う。その名は”百鍛冶(ひゃくたんか)”。かつては戦国時代を生き抜いた名匠と呼ばれた男だった。

百鍛冶に弟子入りを願うも、那須斎は難題を課される。自らの”剣”を示せ、と。しかし、那須斎には剣すら手にしていなかった。そこで百鍛冶が口を開く。「よかろう。その剣はわしが打ってやろう」

やがて目の前に現れた、それは長大な太陽の剣だった。この太陽の剣を手に、百鍛冶に認められた弟子たちは、次々と妖怪退治の旅に赴くことになる。

この作品の世界には、武器ひとつひとつに魂が宿っている。剣に秘められた力を解き放つ一手一手の戦いは、血湧き肉躍るアクションになっている。

バトルシステムの核心は、斬撃と受け流しの対となるアクションにある。剣の動きひとつひとつに意味があり、合わせて”剣技”が出来上がる。

例えば太陽の剣なら、ダッシュからの回転斬りと鋭い一太刀で大技”日環凌”が放てる。八叉鬼の斬れ味は手足を斬り伏せ、妖怪狩りに優れている。

剣と戦う姿こそ本作の見せ場だ。戦闘の度に新たな鍛造の機会が生まれ、異なる攻撃の可能性を秘めた新しい剣が打たれていく。剣を磨き、そして剣に磨かれるのだ。

さらに、剣には特性も付与できる。錆びない剣を打てば妖怪への効果倍増、気の冴える太刀なら妖怪を恐れ付かせられるなど、無限の組み合わせが存在する。

つまり本作は、あくまで剣の成長を体現したゲームなのである。プレイヤーの技と剣との呼吸が重なり合うことで、ついに到達できる”極剣”の領域。その先に何が待っているのか、見届けたくなる。

一方で、ストーリーにも注目したい。百鍛冶には人生の大半を棒に振って過ごしたという過去があり、弟子たちにもそれぞれ熱い思いが宿っている。

妻子を捜す那須斎、里帰りを果たすため旅する実蔵、復讐に燃える孫右衛門。それぞれの想いが交差し、時に剣を交える。人と剣の運命が絡み合い、百鍛冶の物語が紡がれていく。

かくして舞台は都から里、そして奥地へと移っていく。妖怪との戦いを経るごとに、風景は一変していく。枯れ果てた里から穢らわしき森、そして遥か山の彼方へとつながっていく。

戦国ロマンを感じさせる痛快な剣戟から、時に味わう切なさ、さらには奇々怪々たる風景の数々。本作はそうした要素を余すところなく取り入れた、飽くなき物語なのだ。

制作スタッフは「剣との対話を通して、刀匠たちの魂を体感してほしい。刀の鍛錬と同様、プレイヤーも気づかぬ内に自分を磨いていくはずだ」と本作の狙いを語っている。

百鍛冶の口から紡がれる言葉ひとつひとつに、命がこもっているかのように思える。鍛冶場に立つ男の情熱に、剣を打ち続ける情熱へのリスペクトを感じさせられる。

剣と刀鍛冶の物語。戦国ロマンを体現した本作は、まさに武者の魂と肉体を磨き抜く永遠のサイクルを体現した作品と言えるだろう。戦国時代の軌跡に思いを馳せながら剣を振るう。そこに武者の心意気が息づくに違いない。